刑事における弁護士の役割

山口県光市の母子殺害事件のような残忍な事件で、どうしてあんな極悪な犯人の弁護をするのか。巷では、こうした弁護士の活動に疑問を抱く方が多くいます。こうした疑問が起きるのは、実は健全な一般の市民は、自分は犯罪に無縁だと考えているからなのです。普通の人は、「自分は絶対に悪いことはしない。悪いことをするのは特別な人間だ」と思っています。しかし、実際には、誰でも、たとえ社会的にはどんなに立派な人でも、犯罪者になってしまう可能性や危険性があるのです。そもそも、人間はすべてが立派な人物ではありません。どんな人間でも欲があり、誘惑に負けてしまう弱い部分を持っています。どんな立派な人物でも何かのきっかけで、とんでもない過ちを犯すことがあるのです。とりわけ仲間がいて集団だと、その場の雰囲気の中で安易に犯罪を起こしてしまうこともあります。図らずも経済的に追い詰められたり、あるいは人間関係に追い詰められた状況で、自分を守るため、家族を守るため不本意で犯罪を起こすこともありえます。何か思わぬ犯罪を起こしたり、巻き込まれた時、そんな時、頼れるのは誰でしょうか。弁護士しかありません。山口県光市の母子殺害事件のような、あんな悪徳非道な人間でも世間の批判に負けず弁護してくれる弁護士なら、自分の犯した事件でも、断ることなく引き受けて頑張ってくれるのではないかとの信頼が生まれます。それが弁護士に対する信頼です。弁護士が、山口県光市の母子殺害事件の犯人の弁護を弁護に値しないとして拒否するなら、いざという時、誰も安心して弁護士に依頼できなくなってしまいます。

甲斐の杜法律事務所

山梨県の甲斐の杜法律事務所は、交通事故、離婚問題などの個人の裁判から倒産・事業清算の法人の裁判まで幅広く活動を行っております。

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