事務所からのお知らせの最近のブログ記事

平成30年2月28日に東京高等裁判所で公務災害事件の判決があり、逆転勝訴判決を得ました。この事件は、小学校の先生が夏休み中の休日に行われた学区内の地域防災訓練に参加する途中、担任する児童の家によって、児童の忘れ物を届けるとともに、児童の様子を見るために児童宅に立ち寄った際に、児童宅の犬に咬まれる事故が、公務災害となるか争われたものです。公務災害保証基金は地域防災訓練への参加も、児童宅に寄った行為も公務ではなく、その際のけがは公務災害ではないとするものでしたので、この行政処分の取り消しを求めた裁判です。1審の甲府地裁では敗訴判決でしたが、2審の東京高裁では、逆転で勝利できました。学校の先生が地域と連携するために地域の防災訓練に参加することが公務と認められたこと、公務に参加するために途中で児童宅を訪問することが通勤の逸脱に当たらず、通勤災害に当たると認められたことは、大きな成果で先生方が安心して公務に専念できることになります。私と事務所の山際誠弁護士、昨年独立した長倉智弘弁護士と一緒に事件を担当しました。

新年明けましておめでとうございます。昨年は11月に、長く一緒に仕事をしていた長倉智弘弁護士が独立して事務所を開設しましたので、事務所は少しさびしくなりました。山際誠弁護士と私だけになりましたが、引き続き頑張っていきます。さて、今年は、憲法改正が新年早々取りざたされています。当事務所の事務所綱領には「1依頼者の基本的人権を守り、社会正義の実現を目指す。2日本国憲法を擁護し、その完全な実現をめざす。3環境権その他の新しい人権の確立に努める。4常に民衆や社会的弱者の立場に立ち、これらの人々の正当な利益を守って闘う。」となっています。戦後、72年間も日本の平和を守ってきた憲法9条を改正れば、日本は戦争をする「普通の国」になってしまいます。憲法を改正しないように3000万署名もがんばりたいと思います。

企業等の法人の皆様には弁護士との顧問契約をお勧めしています。顧問契約のメリットは何か。それは、裁判や紛争を未然に防止できること、そのために信頼できる弁護士と気軽に相談できるということです。顧問契約をすると、裁判で弁護士を安く使えるとか、交渉相手に「こちらには顧問弁護士がいるんだぞ」とプレッシャーをかけられると思っている方もいるかもしれませんが、それは誤りです。そもそも裁判ばかりしている会社、裁判ばかり起こされている会社は必ず潰れます。すでに裁判になっている場合には凄腕の弁護士を依頼することは必要かもしれません。しかし裁判を起こされないようにする、裁判を起こさなくても良いように相談に乗り、対応を具体的に助言するのが顧問弁護士の役割です。ですから、顧問弁護士は、依頼者に対し、言いなりになる存在ではありません。問題が生じたとき厳しく依頼者の問題点を指摘し、改善を求めることもあります。依頼者の言いなりになる弁護士は法律顧問としては失格であり、企業を極めて危険な状態に追い込むことになります。裁判に巻き込まれない、紛争に巻き込まれないことが企業にとって最大のメリットです。裁判もないのに延々と顧問料を払うのは大変な無駄だと考えるのは大きな間違いです。これからは、日本も訴訟社会になりつつあります。訴訟の危険は日常的にあります。訴訟は合法的な喧嘩であり、私人間の合法的な戦争ともいうべきものです。喧嘩も戦争も、始めるのは簡単で、子供でも喧嘩は始められます。しかし、一旦始まった喧嘩や戦争を上手に終結させるのは、極めて困難であり、才覚のある指導者にしかできません。莫大な費用と時間をかけ、信用を失いうことを考えれば、訴訟や紛争が起きないことが最大のメリットです。このためには顧問弁護士との信頼関係が第一であり、信頼できる弁護士に気軽に相談に乗ってもらえる利益は企業にとっては金銭に代えがたい利益があると思います。ですから信頼出来ない弁護士とは顧問契約を結んでも意味はないし、むしろ有害です。逆に弁護士にとっても、信頼関係がなく適切なアドバイスを受け入れてくれない企業なら、いかに高額な顧問料でも顧問契約をしてはいけないと思っています。また、企業にとって、単に顧問契約を結んでいれば良いのではなく、常に顧問弁護士とコミュニケーションをとり、信頼関係を維持、強化していくことが、お互いに大切だと思います。

明けましておめでとうございます。

昨年は、日弁連始め全国各地の弁護士会は戦争法案反対で集会やパレード、講演会などを行いました。私たちの事務所も弁護士会の要請で、憲法学習会への講師派遣や、集会への参加で、反対運動を盛り上げました。しかし、昨年9月19日に自衛隊の海外派兵を認め、集団的自衛権行使を容認する自衛隊法などの関連法案の改正と国際平和協力法などの新法が成立してしまいました。この一連の安保関連法(戦争法)は、ほとんど全ての憲法学者、歴代法制局長官や元最高裁判事、元最高裁長官までも憲法違反と明言しているものです。これは、憲法改正手続を経ずに、憲法違反の政策を強行するもので、立憲主義に反し、クーデタともいうべきものです。今年は、参議院選挙の年です。何はともあれ、憲法違反を平然と行ない、立憲主義を否定した安倍政権に退場してもらい、憲法違反の一昨年の集団的自衛権の行使を容認した閣議決定と昨年成立した戦争法(安保法制)を一旦、廃止して、立憲主義と民主主義を回復しなければなりません。今年こそ、立憲主義を取り戻すために頑張りたいと思います。
私の経験では、多くの人たちは、いろんな人に相談してどうしても問題を解決できず、いよいよ裁判をするしかない、あるいは問題がこじれにこじれて裁判で訴えられたということで弁護士に相談する方がほとんどです。つまり弁護士に相談するのは、裁判が現実的に問題になった場合に相談するものだとほとんどの方が思われているようです。しかしこれは大きな間違いです。ほんの少しでも何か困ったことがあったら弁護士に相談するべきです。こんな些細な問題で弁護士に相談するのは申し訳ないなどと思う必要は全くありません。少し具合が悪かったらお医者さんに行くように、何か困ったら弁護士に相談してみるそういうことが、大切です。お医者さんも、患者さんが散々、自分で我慢して、手の施しようがなくなってから病院に来られても困ります。紛争も、もう少し前に相談に来てくれれば、話し合いで解決できた、裁判にならずに済んだ、破産しないで済んだとか、そう思うことがいっぱいあります。一方、早めに相談して裁判せずに、裁判よりずっと良い条件で解決できたケースが多くあります。何か困ったら、躊躇することなく弁護士に相談してください。
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